さぽろぐ

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2009年01月29日

名盤/B.SPRINGSTEEN& UA

続・名盤を探しに行こう!/あれも聴かなくちゃ!これも聴きたし!
Vol.57(1999年01月号掲載)


スプリングスティーンは書いてある通り、リリース後暫くして噂を
聞きつけ、「さてさて、どんなもんか?」なんて感じでアルバムを
買った記憶がある。
だから`73年の作品を翌年の夏に、そうそう、今と違ってその位
アメリカと日本とのタイムラグがあり、噂が海を越えて日本国内
で噂になるには、それだけ時間が掛ったって訳だ。
因みに平和ボケ云々のところは、完全に俺個人を指しているので。
スプリングスティーンは、この後のアルバム「Born To Run」で、
個人的には終わっており、「Born In The U.S.A.」で、日本を含めた
全世界が熱狂の渦の頃には、全く興味を無くしていた。
この「青春の叫び」は思い入れがある作品と書いてあるが、彼の
作品で唯一CDで買い直した1枚でもある。
原稿をパァーと見て、この二人をどう結び付けているのかと思ったら、
そういう事だったんですね、と納得。
苦し紛れの繋がりですな。(笑)
UAは、どんどん深い世界に入っていって、ちょっと簡単には手を出せ
ないと言うか、手強いと言うか、何かそんな感じに一時なったような。
歌が上手いから、ま、何やってもいいんだけれど・・・。
常に向上心を持って高いところを目指すのはいいんだけれど、もうちょい、
目線を下にしても良いのでは、とは思っている。

磨き始められた原石を見つけた衝撃を、今も思い起こさせるブルースの
あの1枚。


ボブ・ディランのブートレッグ・シリーズ「BOB DYLAN LIVE 1966」(邦題:
ロイヤル・アルバート)が凄い。
何が凄いと喰ってかかってくる人もいると思うが、詳しくは、所謂音楽
専門誌とやらの記事やCDに付いている解説などを参考にして下さい。
まともにここで書いていたら、それだけで終わってしまいそうだから。
それにしても30数年も前に、あんな演奏していたなんて・・・(絶句)。
それこそ前号の“正統派ロックン・ロールは体で感じなさい”の原点って、
こういうところから来るんだよな~。って事になる。
何か、近頃の頭で考えて体裁ばかり整えたロックなんぞに慣らされた耳と
体には、殆ど健康食品的存在の作品だ。
と、ここまで書いたら、てっきりディランが今回の名盤かなっと思うで
しょうが、なんの事ない、ブルース・スプリングスティーンを載り上げ
ます。
何故かというと、過日「MAXIMUM PACK`98」なるイヴェントでUAが唄った
「Because The Night」を聴いたからで、この歌のオリジナルでもある
パティ・スミスは、すでに掲載済み。そこで曲を提供したブルースの顔が
チラついたという訳。
まぁ、ブルースとディランどこでどうかというと、ブルースのデビュー
直後、目敏い人達からディランの再来などと言われた事もあり、満更、
的外れでもないでしょう。(と、勝手に納得。)
でぇ、そんな噂を耳にして最初に手に入れたアルバムが2枚目の「青春の
叫び(原題:The Wild,The Innocent & The E Street Shuffle)」
だった。

それはデビュー盤「アズベリー・パークからの挨拶」をリリースした翌年
`74年の夏の事だった。
溢れ出す言葉とファンキーなロックン・ロール、そして嗄れた声。
もうノックアウトするのには充分だった。
夏の暑さと平和ボケしたL.A.産の音に飼い慣らされた耳と体を。
冒頭の「THE STREET SHUFFLE」のホーンに続いてファンキーなギターの
カッティングが刻まれるイントロを聴く度に、今でも熱いものが込み上げて
くる。
「40yh OF JULY,ASBURY PARK(Sunday)」や「NEWYORK CITY SERENADE」の美し
さ、「KITTY’S BACK」の躍動感などなど、ここには、その後「Born To Run」
や「Born In The U.S.A.」で大成功を収めるブルースとは違う、磨きかけ
始めた原石のような彼の姿がる。
いまだに彼のアルバムを1枚、と言われたら、僕は躊躇なくこれに手を出す
だろう。それ程思い入れがある作品だ。
さて、UAである。彼女も近年の女性J-POPシーンを塗り変えた一人だろう。
その片鱗は前述のイヴェントのステージで垣間見る事が出来たし、リリース
される作品群の中にも感じる事が出来る。
彼女の最初のフル・アルバム「11」は、大勢のプロデューサー達に囲まれて
作られた1枚。

「リズム」や「情熱」(但しdab version)といったブレイクの切っ掛けに
なったシングル曲を収録。後のアルバム「アメトラ」よりも取っ付き易い
UAがここにいるので、初心者はこれからどうぞ・・・・・。
尚、件の「Because The Night」は両者共、ライヴ盤でそれぞれ聴く事が
出来る。


BRUCE SPRINGSTEEN / 青春の叫び(1973年度作品)
UA / 11(1996年度作品)
  

Posted by keith yoshida at 12:16Comments(0)名盤を探しに行こう!

2009年01月22日

27年ぶりか・・・・・

去年、何気なく読んでいた雑誌の輸入盤紹介で、何時ものクセで、
レーベルは何処だろうと思ってみたら、サイトのアドレスと
「no number(Download)」と書いてあって一瞬“?”に。
何の事はない、それは配信での販売って事でした。
何となく“配信のみ”という言葉には接してはいたが、こうして
文字面で見ると、一瞬そうなってしまうもんだ。
今となっては珍しくもない、ありがちなDLで先行発売ってやつだ。
で、その配信されていたのがBrian EnoとDavid Byrneのアルバム。
`80年代に彼らの「My Life In The Bush Of Ghosts」、そして
The Talking Headsの「Remain In Light」にヤラれちゃった人なら、
迷う事なく、即効“買い!”でしょ。
が、俺は配信では買う気が全くないので、買わないでパッケージが
発売されるまで待つ事に。
そのアルバム「Everything That Happens Will Happen Today」を、
年末年始の休暇中に聴く何枚かの1枚として、漸く手にいれた。

いかんせん27年ぶりの共演!胸躍るほどの期待感を持って当たり前。
新たなる音楽的刺激が欲しい!と、常日頃新譜に対して期待している
輩にとっちゃ、最高の御馳走となるのでは!との思いも束の間、
出てきた音は、あの`80年代に「これはナニ?何なの?」と、何度も
何度も頭の中で繰り返させられた未体験な音の塊とは違い、いつもの
デヴィッド・バーンの長閑な唄声。
何度か訊いたけど、ここ何年かのバーンを聴いている者にとっちゃ、
ま、驚きも何もない「あぁ~、この新譜もいいなぁ!」的な1枚。
そして「あぁ~ジャケット描かれた家の感じだ!」と変な感想まで出る
始末。
ライナーによると、バーンはイーノが作ったトラックを聴いて、エレクトロ
ニック、フォーク、ゴスペルってキーワードを感じたと・・・。
ゴスペルってところが俺にはちょっと分からないけど、全体を聴いていて、
ふと思い出したのがDONOVAN。
何故かドノヴァンのアルバム「COZMIC WHEELS」が頭の中に浮かん
できた(不思議だが、ホントの話)。
ま、いいか!そんな事を書いても誰も分からないもな・・・。
そんなこんなで、その27年前の作品も聴きつつ、急に観たくなってしま
った映画「STOP MAKING SENCE」のビデオは何処に行っちゃんたん
だろう?
と、広くもない家の中を探している今日この頃なのです。
  

Posted by keith yoshida at 11:25Comments(0)音楽

2009年01月15日

名盤/ DR.FEELGOOD & ザ・ハイロウズ

続・名盤を探しに行こう!/あれも聴かなくちゃ!これも聴きたし!
Vol.56(1998年12月号掲載)


マンマだと、やっぱ恥ずかしい誤字がある。
あそこの非難は避難だよな。
あと英語のカタカナ表記は迷ってしまう。
発音に近い表記か、日本語での一般的な表記か、ってのを。
まぁ、いづれにしても校正はちゃんとやっていたのかしらん!
と今更ながら思ってしまう。
書き直す前の“起”の部分って何だったんだろう?と・・・。
さっぱり思い出せない。
それに反して、渋公のザ・ハイロウズのライヴは、ちょっとだけ記憶の
隅に“良かった!”と、破片となって残っている。
それにしても“音楽そのものだけで~”である。
本来はそれが先に成立しての活動でしょうが!
本末転倒と言うべきか、我が国においては時代のサイクルがそうさせて
いるのかどうかは知らないが、「なんかな~!」である。


いつの時代にも存在する正統派、ロックン・ロール・バンドは
体で感じなさい。


先月は連載始って以来、初の原稿書き直し事件が起きてしまい、急遽
出だしの部分をストーンズに書き換えてしまった。
何せ冒頭部分は四コマ・マンガに例えるば起承転結の“起”の部分。
すでに書き上がっている後の部分に如何に繋げるか、無い知恵を搾って
みても、急には出てこんわな。
それで、何となくタイトルが似ているストーンズの「NO SECURITY」を
借用して緊急非難した訳。
いやはや、なんともそんな訳でちょっと無理っぽい繋がりになって
しまったかなっ。な~んて・・・・・。
閑話休題。秋口に2本の結構いいライヴを見る事が出来た。ひとつは
渋谷公会堂で観た“THE HIGH-LOWS”。そしてもうひとつは延期になって
いたスガシカオの札幌公演。
詳細について書く余裕など無いので、両ライヴの良かった共通点だけを
ひとつ書いておこう。
それは両方共「音楽そのものだけで充分に成立していた。」という事。
余計な舞台装飾もない。きらびやかで凝った照明も無い。客に媚びた
喋りも無い。ひたすら自分の音楽を演り倒す。的なスタイルに終始
したライヴだった。
特にハイロウズは、札幌で観た時より切れ味鋭く、カチッとまとまって
いて、流石ライヴ・バンドって感じで面目躍如。
元々、彼らにはストーンズ直系のロック・バンド的認識で接していた
訳だけど、この日のライヴを観て、それよりもう少し若い世代、例える
なら、70年代のブリティシュ・ビート・バンド的臭いを感じる事が
出来た。
でぇ、真先に頭を過ったのはドクター・フィールグッドだった。
とは言うものの、ビート系が好きな人には名ギタリスト“ウィルコ・
ジョンソン”在籍時、即ちデビュー直後位がいいらしいが、僕が彼ら
と遭遇したのはウィルコ脱退後のアルバムで、彼らにとっては6枚目
となる「プライヴェット・プラクテス」だった。

ギターはジョン・メイヨーに代わっているものの、他の3人のメンバー
は結成当時と同じで、演っている音楽自体もR&Bやブルースを下敷き
にした正統派ロックン・ロール。
何の事はない、遡る事十数年、ストーンズがデビューから一貫して
追及していたロックン・ロールと同じ姿が、そこにはあった。
そんな訳で系列的にハイロウズからドクター・フィールグッドっての
はありで、ましてはパンク・ムーヴメントの洗礼を受けた年代の
ミュージシャンならなおさらって訳だ。
さてハイロウズの衝撃のデビュー・アルバム「THE HIGH-LOWS」は、
あの浮かれたバンド・ブームが完全に一段落した後に届いた。

だからという訳じゃないけど、アルバムの冒頭の「グッドバイ」では
♪さよならする~綺麗さっぱり♪なんて唄っちゃって、全然相応しく
ないの。再出発に。
ん~、あの二人色々あったんだろうネ。
これで過去にけじめを付けたかのように、ジャングル・ビートが飛び
出し、新生“ザ・ハイロウズ”の正統派ロックン・ロールの幕が開く。
さぁ、どちらも“のり一発!”で楽しみたいロックン・ロール。
そう理由やら理屈やら余計な事考えないで、体で反応して下さい。
それが正しい聴き方なんだから・・・・・。


DR.FEELGOOD / PRIVATE PRACTICE(1978年度作品)
THE HIGH-LOWS / THE HIGH-LOWS(1995年度作品)
  

Posted by keith yoshida at 12:37Comments(0)名盤を探しに行こう!

2009年01月05日

名盤/Carly Simon & 古内東子

続・名盤を探しに行こう!/あれも聴かなくちゃ!これも聴きたし!
Vol.55(1998年11月号掲載)


これはネタに困っている時に、たまたま見掛けた古内東子のポスターが、
妙に色っぽかったので、そこからカーリーへと結び付けた記憶がある。
大体50数回も書いてりゃ、何度となくネタ切れになるのはしょうがない。
紹介したい洋楽はいくらでもあるが、それに合わせる邦楽がね~。
そこが苦労したところでもあります。ハイ!
ジャケット話になると、どうしてもLPに分があるのは分かっているが、
例えば、このカーリー・サイモンの何点かのジャケットは、明らかに
あのサイズだからいいのであって、CDサイズだと、手を出す気にも
なれない。
パッケージ商品の強みでもあるジャケットの価値は、CDでは、どこか
忘れさられた感もある。
あのサイズで魅力のあるジャケットを考えないと、益々売れなくなって
しまうような気がする。
CDを含めてパッケージ全体で一つのアート!みたいな感じにして商品
価値を高めない・・・、といつも思ってはいるのですが・・・・。


ジャケットだけでも“買い!”のアルバム多数有り。
勿論、音楽も素敵なカーリーの世界。


我が唯一のアイドル“The Rolling Stones”の恒例のライヴ盤が
リリースされた。
恒例というのは、ここんとこツアーをやる度に必ず出しているか
らで、まぁ、言ってみれば、一種のお約束事みたいなもんで、それ
程大騒ぎするものじゃない。
でぇ、毎回、シークレット・ギグでの曲や未発表曲を入れたりの
アイデアで楽しませてくれるけど、今回の「NO SECURITY」は、どうも
選曲一発勝負みたいな感じ。ん~、ファンなら納得の内容って訳だ。
おまけに、これに併せたツアーも年明け早々に計画中らしいので、
何か年取っても益々盛ん・・・・・ってな感じ。
それにしてもジャケットが良くないな~。年々センスが悪くなっている
気がする。これこそ年のせいかしらん。
ところで「NO SECURITY」ってタイトルに聞き覚えがあるなと考えていたら、
何の事はないカーリー・サイモン「NO SECRETS」と勘違いしていた。
彼女、まんざらストーンズと繋がりがない訳でもないので、今月はこの
カーリーさんについて書いてみよう。

以前に取り上げたキャロル・キング同様、1970年代を代表する女性
シンガー・ソングライターの一人。勿論、現在も良質の作品を作り出して
活躍中の現役バリバリのアーティストだ。
姉とのサイモン・シスターズを経て71年にソロ・デビューを果たし、
折からのシンガー・ソングライター・ブームにのって、翌年リリースした
アルバム「NO SECRETS」収録の「うつろな愛(You’re So Vain)」が
大ヒットし、一躍時の人になった彼女。
この「うつろな愛」でデュエットしているミック・ジャガーとデキてる。
なんて噂もなんのそので、あっ!という間にジャームズ・テイラーと結婚
して、世の男性の嘆きを誘ったりもした女性だ。
アルバム「ノー・シークレッツ」は彼女にとって3枚目の作品。
リチャード・ペリーのプロデュースのもと、より洗練された都会派の女性
を表現し、そのサウンドは、フォーク色濃い色合いから、のちのお洒落で
ポップ・ソウル風なものの原形的なものまで、バラエティに聴かせる一枚
に仕上がっている。
ところで彼女のアルバムは、ジャケットがな~んとも素敵なものが多い。
と言うか、実に男心をくすぐるのが多いんだな。これが。
まぁ、この「NO SECRETS」ではノーブラ論争が起こったりもしたけど、
後の作品は、もっとセクシーな姿態を披露してくれる。という訳で、
一連の彼女の作品は、是非LPで買う事をお薦めする。
セクシーと言えば、近年のJ-POPの女性シンガー・シーンを塗り変えた
一人と言ってもいい古内東子さんも、よく見掛けるヴィジュアルは、
どことなくセクシーな感じでいい。

彼女のデビュー作「SLOW DOWN」をこのWEで紹介した時、現役女子大生
ながら、その大人びた感じの雰囲気もん云々って事を書いた記憶がうっすら
とあるけど、年々、その成熟度に磨きがかかっている事を、音楽面でも
ヴィジュアル面でも感じさせてくれている。
いいね、やっぱり。そういったところでも楽しませてくれるのって女性
だけの特権かなっ。
なんて書いたら差別発言で嫌がられるのかしらん。
まぁ、感じ方は人それぞれ。今後もそんな事を期待しつつ、御両人の活躍
を楽しみにしています。


CARLY SIMON / NO SECRETS(1972年度作品)
古内東子 / SLOW DOWN(1993年度作品)
  

Posted by keith yoshida at 12:37Comments(0)名盤を探しに行こう!